今日は、本のご紹介です。
これは、別冊つり人 Vol.398 power of snakehead 雷魚 本。
コレ、5年ほど前に発売されていた本で、雷魚アングラーなら大部分の方がご存じなのかもしれません。
当方も当時、この本が書店で並んでいたその時、とくに購入しようと思わずにいたのですが、ここ数年、遠征先の田舎風景、美しい蓮のロケーションに魅入られてからというもの、身近なオープンウォーターより、遠征先のカバーゲームの方が心躍ることに楽しみを見出していた昨今
でっかい蓮(ハス)の葉っぱがある場所で、キャストしているこの表紙が目に飛び込んできました。
コレ、どうやって釣るんですかね(笑)
身近でこんなポイントがないので、素朴な疑問。 興味が湧いて早速ポチリ。
本が2日後に到着。
早速、ページを開くと
新家邦昭氏、赤羽修弥氏、高井主馬氏、玄人が薦めるポイントの選び方、攻め方は勿論、環境問題に至るまで、なかなか、見ごたえのある本です。
カラー写真の美しい景色や、釣り場の臨場感など、文章を通じて伝わってきます。どの記事も丁寧に読みやすく魅力的に仕上がっています。
これはちょっとシビレました。
私が特に気になったのが雷魚釣りにおける「スローフィッシングのススメ」という記事。
ナマズ釣りの場合、多くの方がRUN&GUNによるスピーディーな釣りがもっぱらメインだと思うので、バスや雷魚狙いのテクニックに使われるスローアクションは馴染みがない人も多いと思います。
特に大きな違いがあるとすれば
例えば
鯰の場合、上記写真で見ると分かりますが、体の上部に、ミシン目のような白い点線が入っています。
これは側線といって、主に魚類・両生類の体の両側に線状に並んでいる感覚器です。主に水流・水圧を感知する為のものです。
この側線は、ナマズ特有の長いヒゲと共に、『音』による波動をキャッチし、捕食する獲物の位置を捉える為、ノイジーやハネモノ系ルアーなどの『音』によるアプローチがナマズにとって効果的なのは、皆さん周知のとおり。
ですから、ここで紹介している音やアクションをほとんど使わない、カバーゲームおけるフロッグの繊細な釣り方は、オープンウォーターの鯰釣りとは、まったく異なるスタイルです。
さてこの雷魚という魚
グロテスク風貌の割には、意外と臆病で警戒心が強い魚と言われています。
例えば、
遠征先のフィールドでは、暖かい日は、大小あちらこちらの河川で、雷魚が水面近くに浮いてるのを目視で確認できます。
目の前にあるルアーの鼻先まで追いながら、目前で5分も10分も食わないケースによく出くわすのですが、これは、かなりしんどい。当方、いつも雷魚様ににモテ遊ばれ、愛のご指導の元、日々、忍耐力を鍛えられております(笑)
プレッシャーの高い場所は総じて、魚の対応が極めて冷たいものです。
当方、遠征先の佐賀クリークは全国でも屈指のライギョの聖地といわれる場所。
聖地と言えば聞こえはいいのですが、その分、県外からも多くの釣り人が訪れるプレッシャーエリア。
数か月もかけて、せっかく見つけたビッグフィッシュの生息場所に、先行者がフロッグを投げ通した後が、菱の葉にクッキリと何本も残っていたりすると、正直がっかりしてしまいます。
この記事を書かれたアングラーも、ねらうべきポイントが絞れているならば無闇にキャストせず、フィールドを叩きすぎないという事を伝えていますが、
『魚にプレッシャーを与えない』『フィールドを無闇に壊さない』という大前提がスローフィッシング提唱に繋がっています。
ここで伝えるスローフィッシングとは、ルアーをキャストし、リールのラインをとにかくゆっくり巻き取るスローなリトリーブ操作。
筆者は、リール1回転につき1分、時には、1キャストに30分以上を費やすこともあるという。
スローフィッシングのアクションは
『ロングポーズ』
①フロッグが着水してから1分間置く
②フロッグに一切のアクションを加えずに、自然になじむまで待つ。
『チクッと動かす』
①小さな波動がでるくらいがベスト
②ほんの一瞬ラインが張る程度
『ロングポーズ』と『チクッと動かす』
大きくはこの2点 スローアクションの繰り返し。
◎ フロッグを使う場合、実際、自然界のカエルは、水面ではほとんど動かないし、波動も小さい。存在に気づかないほどだが、しかし、雷魚は見逃さず捕食する。
◎このロングポーズと極めて小さいアクションを組み合わせるスローな釣りは、雷魚にフロッグの存在を気づかせないどころか、ナチュラルゆえにすこぶる反応が良い。
◎スローに釣ること自体難しいテクニックを要する訳ではないので誰にもできるとは思うが、つい我慢しきれず動かしてしまう人が多い
と筆者はいう。
特に最後の『つい我慢しきれず動かしてしまう人が多い』これには、とても共感します。
なので
筆者の超がつく、デッドスローリトリーブ(止まるほどゆっくり巻くこと)1キャスト30分は凄い。コレは簡単なようで中々、真似できません。
釣りというのは、せっかちな人の方が向いているなんて、昔から言われています。
これは、短気な人は、負けず嫌いが多く、仕掛けや、エサの付け替えをこまめにするからだ!なんて言われてたこともありましたが
このスローフィッシングにおいては、辛抱強さがカギなのでしょう。
ビッグサイズの雷魚を釣りあげている掲載写真を拝見すると、一段と説得力があります。
1キャスト30分
辛抱するのは、なかなか難しいですが
ゆえに
人がやらない、やれない方法ほど効果が期待できるのかもしれませんね。